タグとカテゴリーの正しい使い分けとSEOに効く設計ルール
はじめに|情報の整理が、UXとSEOの質を決める
Webサイトやブログを運営する上で、「情報をどう整理するか」は、ユーザー体験の快適さを左右し、検索エンジンの評価にも直結します。
とくに「カテゴリー」と「タグ」の使い分けは、見た目以上に重要な設計項目です。
分類ルールが曖昧なままだと、サイト構造が複雑化し、ユーザーもGoogleも迷子になります。
この記事では、情報設計・分類設計・タクソノミー設計の違いと役割を明確にし、
SEOとUXを両立するタグ・カテゴリーの設計術を、実務目線で完全解説します。
1. カテゴリーとタグの違いとは?
カテゴリー(Category)
- サイト全体の大分類
- 階層構造(親子関係)を持てる
- 1記事につき1つ以上が基本
- 例:SEO対策、パフォーマンス改善、CMS設計
タグ(Tag)
- 横断的なラベル(特集・特徴の軸)
- フラット構造(階層は持たない)
- 1記事に複数付与可
- 例:JSON-LD、ページネーション、カノニカルタグ
✔ WordPressにおけるカテゴリーとタグは、どちらも「タクソノミー」の一種です。
ただし、UXやSEOの観点では明確な使い分けが必要です。
2. タグ設計の粒度と運用ルール
タグ設計の悩みでよくあるのが、「細かく分けるべきか、まとめるべきか?」という粒度の問題です。
細かくするメリット・デメリット
メリット
- 特定技術や概念で絞り込みやすい
- 高度な検索・フィルタリングに対応できる
デメリット
- タグが増えすぎて管理困難
- 類似タグ・重複タグの乱立で混乱
- 薄いタグページが増えると、SEOリスクに
まとめて扱うメリット・デメリット
メリット
- 管理しやすく、統制がとれる
- タグページに記事が集まり、評価が上がりやすい
デメリット
- 細かな検索ニーズには応えづらい
- 似た内容の記事が同じタグに混在する可能性あり
実務でのベストプラクティス
- メインタグは抽象度高めに(特集・領域単位)
- サブ的な補助タグは技術単位や機能単位で
- 5記事未満のタグは原則 noindex または統合
- 定期的にタグを棚卸し・統合する
- タグページには説明文とメタ情報を追加
3. SEOに効くタグページの最適化
Googleはタグページを「特集ページ」として評価します。
以下のようなタグページは、SEO的にも有効です。
高評価されるタグページの条件
- 関連性の高い記事が5本以上
- タグページに説明文(冒頭文)がある
- meta title・meta description の最適化
- パンくずやナビゲーションとの連携がある
薄いタグページのリスク
- 記事数が少ない=低品質ページと判断されやすい
- 同義のタグ(例:SEO対策/SEO)などが乱立=重複リスク
- クローラビリティが下がる・サイト全体評価に悪影響
対策と運用実装(WordPress)
functions.php
で「記事数が3以下のタグページにnoindex」tag.php
でタグ説明を表示・構造化データ(JSON-LD)追加- スラッグを意味のあるものに統一(例:seo-tips)
4. 情報設計・分類設計・タクソノミー設計の違い
用語 | 概要 | 主な対象・役割 |
---|---|---|
情報設計(Information Architecture) | サイト全体の構造・ナビゲーション設計 | UXデザイナー、設計者 |
分類設計(Content Categorization) | 記事やコンテンツの分類ルール | 編集者、運用担当者 |
タクソノミー設計(Taxonomy Design) | CMS実装(カテゴリー・タグ・カスタム分類) | 開発者、SEO担当 |
イメージ図で理解する
情報設計(サイト全体の骨組み)
├─ 分類設計(コンテンツの分類ルール)
│ └─ カテゴリー / タグ / 特集テーマ
└─ タクソノミー設計(WordPressでの実装構造)
├─ カスタム分類(例:地域・職種など)
└─ カスタムタームのテンプレート処理
5. チェックリスト|タグとカテゴリーの運用点検
項目 | 確認 ✔ |
---|---|
カテゴリーは大分類として階層構造になっているか? | ☐ |
タグは横断的なラベルとして機能しているか? | ☐ |
同義語や類似タグの乱立を防いでいるか? | ☐ |
タグページに説明文・meta情報が設定されているか? | ☐ |
タグページの記事数が一定以上あるか(5件以上)? | ☐ |
記事数の少ないタグはnoindexなどで管理しているか? | ☐ |
情報設計・分類設計・実装担当で役割が明確か? | ☐ |
6. まとめ|分類設計でサイト全体の質を高めよう
- カテゴリーは大分類、タグは横断ラベル。目的に応じて使い分けを明確に
- タグ設計は「粒度管理」が命。適切な数・意味・運用が重要
- Googleはタグページも評価する。だからこそ内容の質・数が問われる
- 情報設計・分類設計・タクソノミー設計を分けて考えることで、チーム運用のレベルが一段上がる
分類設計は“作って終わり”ではありません。
運用し続けて初めて価値が出る設計領域です。
最後に|設計・実装のご相談はこちら
株式会社 一針一歩では、
WordPressを中心とした情報設計・分類設計・タクソノミー設計に専門特化し、
「フロントエンドと協業する裏方」としてサイト構造の最適化を支援しています。
- デザインを守りながら、動的な分類構造を実装したい
- カスタム投稿・タクソノミーを整理して運用したい
- SEOと構造設計を同時に最適化したい
といったご相談がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。