読み込み中...

構造化データで検索結果を設計する方法|リッチリザルトの基礎と実践ガイド

構造化データで検索結果を設計する方法|リッチリザルトの基礎と実践ガイド

こんにちは、ウラセツログ編集部です。

このブログでは、WordPressの「見えない構造」——
すなわち設計・運用・SEOの“なぜ”に静かに光を当て、
その裏側を、丁寧に、ひとつずつ紐解いています。

今回のテーマは、「リッチリザルト」。
検索結果に星やFAQが表示される、あの“目立つ表示”の裏側には、
検索エンジンに“意味”を正しく伝えるための設計が隠れています。

この記事では、「構造化データ」という視点から、
リッチリザルトの本質と、その設計思想を一緒に見ていきましょう。


1. リッチリザルトとは何か

検索結果に星やFAQが表示される「リッチリザルト」。
これは、検索エンジンがページの情報を“意味”として理解したときに表示される、強調表示のひとつです。

たとえば、以下のような形式があります:

  • ⭐ 星付きのレビュー
  • 🧭 パンくずリスト
  • ❓ よくある質問(FAQ)
  • 📅 イベント情報、🍳 レシピ、🛒 商品データ など

これらは、ただ見た目を飾るものではありません。
検索エンジンが「この情報には意味がある」と判断したときにのみ表示されるのです。

つまり、リッチリザルトとは——
“見せ方”ではなく、“意味づけ”の設計によって生まれる結果なのです。


2. なぜ構造化データが必要なのか

検索エンジンは、HTMLの“見た目”ではなく、
その中にある情報の“意味”を読み取ろうとしています。

たとえば、

  • 「これは記事です」
  • 「これはFAQです」
  • 「これはレビューです」


といった“意味の明示”がなければ、検索エンジンは正しく理解できません。

その“意味”を伝えるための設計手段が、
構造化データ(Structured Data)と呼ばれるマークアップです。

ページ内の情報を、構造的に、正確に、設計として伝えることで、
検索エンジンはその内容をより深く理解し、
リッチリザルトとして表示することができるのです。


3. schema.orgという設計語彙

構造化データを記述するためには、“意味を表す言葉”が必要です。
その語彙体系が、schema.org(スキーマ・ドット・オルグ)です。

これは、Google・Microsoft・Yahoo!・Yandexが共同で策定した、
Web上の情報に“意味”を与えるための共通語彙であり、
設計者にとっての“共通言語”ともいえる存在です。

たとえば、以下のような語彙があります:

情報の種類schema.org語彙意味づけの内容
記事の情報BlogPostingタイトル・著者・日付など
パンくずリストBreadcrumbListサイト構造と階層性の明示
よくある質問FAQPageQ&A形式でのユーザー向け回答
商品のレビューReview星評価や感想の記述

これらの語彙を正しく、丁寧に使うことが、
検索エンジンに“意味”を伝えるための第一歩です。

つまり、schema.orgとは——
「意味を設計する」ための語彙集なのです。


4. JSON-LDという設計図

構造化データにはいくつかの記述方法がありますが、
Googleが推奨しているのは、JSON-LD形式です。

この形式は、HTMLとは独立してページ内に埋め込むことができ、
まるで“そのページの設計図”のように、情報の構造と意味を整理できます。

たとえば、以下のようなコードで、記事の属性を明示できます:

<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "BlogPosting",
"headline": "リッチリザルトの裏側を紐解く",
"author": {
"@type": "Person",
"name": "ウラセツ ログ編集部"
},
"datePublished": "2025-07-18",
"mainEntityOfPage": "https://urasetsu.jp/blog/rich-result-structure"
}
</script>

このように、ページの“意味”を明確に定義することで、
Googleなどの検索エンジンに対して、設計された情報として伝えることができます。

つまり、JSON-LDとは——
「意味を構造として設計する」ための記述技術なのです。


5. 設計としてのSEOとリッチリザルト

リッチリザルトは、SEOの“裏技”ではありません。
むしろ、SEOを「設計」として捉えるための視点そのものです。

検索エンジンがページを信頼し、適切に表示するためには、
そのページがどのように設計されているかが重要になります。

たとえば、以下のような構造的な意味づけが必要です:

  • 👤 誰が書いたかPerson
  • 📝 どんな記事かBlogPosting
  • 🧭 どこに属するかBreadcrumbList
  • ❓ どんな問いに答えているかFAQPage

これらの設計が整って初めて、検索エンジンはそのページを意味ある情報として認識し、信頼し、より良い形で表示してくれるのです。

つまり、SEOとは——
「意味を設計すること」から始まるのです。


6. よくある設計ミス

構造化データは、ただ入れればいいというものではありません。
“意味を設計する”ための技術だからこそ、設計ミスが起きると逆効果になることもあります。

以下は、よくある設計ミスとその対処法です:


🔸 FAQを並べただけでマークアップがない
→ 表示されません。FAQPageとしての構造化が必要です(JSON-LDまたはHTML形式)。

🔸 構造化データを入れてもリッチリザルトが出ない
→ Googleが「品質・ユーザー体験・信頼性」などの基準を満たしていないと判断した場合、表示されません。

🔸 テーマやSEOプラグインで構造化が重複している
→ デベロッパーツールやリッチリザルトテストで確認し、最適化が必要です。


構造化データは、“コード”であると同時に、“設計図”です。
二重実装、曖昧な記述、意味のないマークアップは、
設計の乱れとなり、検索エンジンの信頼を損ねる原因になりかねません。


7. まとめ|「意味を設計する」という視点

リッチリザルトは、単なる“見た目の装飾”ではありません。
それは、ページの意味と構造を、検索エンジンに正しく伝えるための設計技術です。

構造化データを通して、

  • 誰に向けて
  • どんな情報を
  • どのように届けるのか

その“裏側”を丁寧に整えることが、検索結果の質を高め、
読者との最良の接点をつくることにつながります。

SEOとは、テクニックではなく「設計」です。
そして、設計とは「意味を伝えること」。
それが、ウラセツログが大切にしている視点です。


ご相談・お問い合わせ

WordPressサイトにリッチリザルトを実装したい方、
JSON-LDや構造化設計を組み込みたい方へ。

ウラセツログでは、裏側の設計から丁寧にサポートいたします。
ご相談はこちら


関連記事

このテーマに関連する「設計の裏側」をさらに深く紐解きたい方へ。
以下の記事では、タイトル設計・UX構造など、リッチリザルトと連動する設計技術を詳しく解説しています。

この記事をシェアする