はじめに|アーカイブはSEO設計の“静かな要所”

WordPressのアーカイブページ(カテゴリ、タグ、著者、日付、カスタム投稿タイプなど)は、
情報整理とナビゲーションの中核であり、SEO評価にも大きく影響する構造要素です。

特に以下の4要素は、検索エンジンとの整合性と評価集中に不可欠です:

  • canonicalタグ
  • noindex指定
  • パンくずリスト(構造化データ)
  • 内部リンク構造

株式会社一針一歩では、これらを設計思想に基づいて最適化することが、信頼されるサイト構築の鍵と考えています。


1. 背景|アーカイブページが抱えるSEO課題と可能性

  • 同一投稿が複数アーカイブに属することで重複コンテンツ化しやすい
  • ページ送りやパラメータ付きURLで評価が分散するリスク
  • 一方で、アーカイブは内部リンクのハブとしても機能し、SEO効果を高める可能性がある

2. canonicalタグの設計|評価の流れを整える

状況設定内容
通常のアーカイブ自身のURLをcanonicalに設定
ページ送りあり/page/2/ などは個別にcanonicalを設定
タグとカテゴリが重複設計思想に基づき、どちらを正規化するか決定
パラメータ付きURL基本URLをcanonicalに設定し、評価分散を防止

実装例(functions.php)

add_filter('wpseo_canonical', function ($canonical) {
  if (is_archive()) {
    return get_pagenum_link(get_query_var('paged', 1));
  }
  return $canonical;
});

3. noindexの判断基準|薄いページを見極める設計

ページタイプnoindex推奨
投稿数が少ないタグ
著者ページ(投稿数3件未満)
日付アーカイブ(日別)
カスタム投稿タイプ(初期段階)条件付き

この設計は、評価されるべきページに集中させるための信頼設計です。


4. パンくずリストの構造化|階層を明示し、信頼を築く

  • schema.org/BreadcrumbList をJSON-LDで実装し、検索結果のリッチ表示を促進
  • 階層構造を明示することで、検索エンジンの理解とユーザーの回遊性を向上

実装例(JSON-LD)

{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "BreadcrumbList",
  "itemListElement": [
    {
      "@type": "ListItem",
      "position": 1,
      "name": "トップ",
      "item": "https://example.com/"
    },
    {
      "@type": "ListItem",
      "position": 2,
      "name": "SEO",
      "item": "https://example.com/category/seo/"
    }
  ]
}

5. 内部リンク構造の最適化|評価を集約する設計

  • 重要なアーカイブページにはリンクを集中させ、評価を集約
  • 薄いページへのリンクは控えめにし、評価の分散を防止
  • パンくず・グローバルナビ・関連記事など、自然な導線設計を心がける
  • アンカーテキストは具体的で意味のある表現を使用

6. 実践例|代表的なアーカイブタイプの最適化

アーカイブcanonicalnoindex階層表示リンク設計
カテゴリ自身URL投稿数少なければ検討階層表示関連カテゴリからリンク強化
タグ重要タグのみ正規化投稿数少なければ推奨1階層表示カテゴリとの連携リンク
著者自身URL投稿数3件未満は推奨著者名 > 投稿一覧著者ページから記事へ戻りリンク
日付年/月は正規化日別は推奨年→月→日他アーカイブからのリンクは控えめ
カスタム投稿タイプ自身URL条件付き独自構造主要コンテンツへのリンク強化

7. よくある失敗例とその回避策

失敗例問題回避策
canonicalがトップページを指す重複評価・インデックス漏れ各アーカイブに固有のcanonicalを設定
noindexが未設定薄いページがインデックスされる投稿数や内容に応じてnoindexを判断
パンくずが構造化されていないリッチリザルト非対応BreadcrumbList をJSON-LDで実装
内部リンクが偏っている評価が分散・偏る意図的にリンク設計を調整する

8. チェックリスト|設計思想を反映する必須ポイント

✓ canonicalタグが正しく設定されているか
✓ noindexの判断基準が明確か
✓ パンくずリストが構造化されているか
✓ 内部リンクが評価集中を意識して設計されているか
✓ アーカイブタイプごとの最適化が行われているか
✓ 設計思想に基づいたSEO運用ルールが整備されているか


まとめ|SEO設計におけるアーカイブの連携ポイント

アーカイブページは、SEO要素と連携して初めて最大限の効果を発揮します。
canonical、noindex、パンくず、内部リンクの4要素を設計思想に基づいて最適化することで、
重複コンテンツを防ぎ、評価を集中させ、検索エンジンとユーザーの両方に信頼される構造が実現します。


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