〜SEO・UX・サイト設計の観点から考える最適解〜
1. パンくずリストに「カテゴリ」は含めるべきか?
SEO観点:パンくずにカテゴリを含める意義
Googleはパンくずリストを単なる表示要素ではなく、サイトの階層構造や情報の関連性を理解するための重要な指標としています。
投稿の分類軸である「カテゴリ」をパンくずに組み込むことで、
- その記事がどのカテゴリに属しているか
- カテゴリ自体がサイト全体でどのような位置づけか
をGoogleに正確に伝達でき、検索エンジンのサイト理解度を高めます。
これはリッチリザルト表示の精度向上や、SEO評価向上に直結するため、多くのSEO専門家も推奨する実践です。
(Googleの公式ドキュメントでも、パンくずにカテゴリなどの階層情報を含めることを推奨しています)
ユーザー体験(UX)視点:カテゴリがあることで得られるメリット
パンくずリストはユーザーがサイト内の現在位置を把握し、一段階上の階層に簡単に戻れるナビゲーションです。
カテゴリを含めることで、
- 「記事 → カテゴリ → ホーム」という明確な戻り道ができる
- 関連カテゴリ内の他の記事を探しやすくなる
- サイト内回遊が促進され、離脱率低減に寄与
特にニュースやブログなど大量の投稿があるサイトでは、カテゴリのパンくずは欠かせません。
調整が必要なケースもある
一方で以下のような状況では、そのままカテゴリを含めると逆にユーザービリティやSEOに悪影響となる可能性があります。
- カテゴリが多すぎてパンくずが複雑になりすぎる
- 投稿に複数カテゴリが割り当てられており、どれを優先すべきか迷う
- サイト運用の中心がカスタム投稿タイプやタグに寄っている
この場合は、
- 「メインカテゴリのみをパンくずに含める」
- パンくずのカテゴリ表示を省略し、別途カテゴリ一覧やタグ一覧を活用する
など、サイト構造や運用方針に合わせた最適化が必要です。
実装時のポイント
WordPressでは投稿に複数カテゴリが設定可能なため、パンくずに使うカテゴリの選定ロジックが重要です。
get_the_category()
で取得し、最も優先度の高い(例:親カテゴリやSEO効果が高い)カテゴリを選択- カテゴリ階層を意識し、最も上位のカテゴリをパンくずに含めるケースも多い
- SEOやユーザー行動を分析し、どのカテゴリをパンくずに含めるか調整
この設計によってパンくずの有用性とSEO効果が最大化します。
2. パンくずリストに「タグ」は含めるべきか?
❌ 基本的にタグはパンくずに含めない
タグは「記事の横断的なラベル」であり、階層構造を持たないため、パンくずの役割である「現在位置の階層的理解」には適していません。
また、
- 複数タグが付与されることが多く、どのタグを優先するか判別が難しい
- タグの重要度や意味合いが不明瞭なためユーザーにも混乱を招く
こうした理由で、多くの実務者は記事ページのパンくずにタグを含めることは避けています。
UX面でも注意が必要
タグをパンくずに含めると、複数のタグから「どれを代表的に表示するか」など迷いが生じ、ユーザーにとって分かりづらい表示となります。
結果としてパンくずの本来の役割が損なわれる恐れがあります。
タグアーカイブページのパンくずには含めてよい
タグの一覧ページ(tag.php)自体のパンくずは、
ホーム > タグ > タグ名
という構成で表示することが推奨されます。
ここでは「タグ」が階層の一部として意味を持ち、ユーザーの現在位置把握に役立ちます。
例外:タグをカテゴリ代わりに使う場合の注意点
カテゴリを使わずタグで分類している特殊なケースでは、タグをパンくずに含めることもありますが、
- 表示するタグは必ず1つに限定する
- 「カテゴリ代わりである」旨をサイト上で明示する
- JSON-LDなど構造化データも一貫して設計する
など、綿密な設計と実装が必須です。
3. まとめ
項目 | パンくずに含めるべき? | ポイント |
---|---|---|
カテゴリ | 基本含める | SEOとUXの両面で効果が高い |
タグ | 基本含めない | 階層構造ではなく混乱を招く可能性 |
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