― 構造化データ・SEO・設計観点からの最適解 ―
はじめに:なぜ“固定ページ”に「抜粋」を追加すべきか?
WordPressでは、投稿(post)には標準で「抜粋(excerpt)」フィールドが備わっていますが、固定ページ(page)にはデフォルトで存在しません。
しかし、実務レベルでWordPressサイトを最適化したい場合、固定ページにも抜粋を追加するのは非常に有効です。とくに以下のようなシーンでその価値が際立ちます。
- 構造化データ(JSON-LD)の記述
- SEO対策としての description 補完
- テンプレート設計の柔軟性アップ
この記事では、なぜ固定ページに抜粋が必要なのか?その理由と具体的な実装方法、さらに実務での活用シナリオまでを解説します。
抜粋があることで得られる3つの効果
1. 構造化データに使える description が手に入る
Googleのリッチリザルト対応などで使われる構造化データ(JSON-LD)。中でも description
は検索エンジンにとって非常に重要な要素です。
しかし固定ページは通常 the_excerpt()
が使えず、ページの要約情報が欠けてしまうことがあります。ここで「抜粋」があれば、構造化データの description
としてそのまま利用可能です。
"description": "当社のサービスは、WordPressのロジック設計に特化し、..."
といった出力を、PHPで自動生成することも容易になります。
2. SEOにとって有利になる要素を補える
抜粋があることで、以下のようなSEO上のメリットがあります。
- Googleのインデックスに適切な情報が伝わる
- 検索結果に要約文が出やすくなる(meta description 代替)
- SNSやOGP連携時にも内容が伝わりやすい
とくに固定ページは企業サイトの「サービス紹介」「会社概要」などの重要なページであることが多く、検索意図との整合性が問われやすいため、要約の明示は効果的です。
3. テンプレートで柔軟に表示制御が可能
the_excerpt()
や get_the_excerpt()
を使えば、テーマファイルの任意の場所に「抜粋」を表示できます。
例えば:
- パンくずリストの直下に説明文を添える
- 一覧ページでページ概要を出す
- JSON-LDに自動出力するスニペットと連携
といったように、設計上の自由度が大きく広がります。
実装方法:functions.php に追加するコード
以下のコードをテーマの functions.php
に追加するだけで、固定ページの編集画面に「抜粋」欄が表示されるようになります。
// 固定ページに抜粋フィールドを追加
function add_excerpt_to_pages() {
add_post_type_support( 'page', 'excerpt' );
}
add_action( 'init', 'add_excerpt_to_pages' );
管理画面で固定ページを開くと、「抜粋」という欄が追加されていることが確認できます(表示されない場合は「表示オプション」で有効化)。
応用:構造化データと自動連携する実装例
抜粋があれば、次のように description
を動的に出力することが可能です:
$description = get_the_excerpt(); // 抜粋から取得
$json_ld = [
'@context' => 'https://schema.org',
'@type' => 'WebPage',
'name' => get_the_title(),
'description' => $description,
'url' => get_permalink(),
];
このように編集者は「抜粋欄」にテキストを入れるだけで、構造化データにも自然に反映されるように設計できます。
まとめ:WordPressサイトの“品質”を上げる小さな一歩
固定ページに「抜粋フィールド」を追加することは、見た目には小さな設定変更かもしれません。ですがその効果は明確で、
- 検索エンジンへの情報伝達
- リッチリザルトへの対応
- テンプレート活用の柔軟性
- サイト品質の底上げ
といった形で、コーポレートサイトやサービスサイトの運用品質を大きく左右します。
一針一歩では、構造化データとカスタム設計の最適化を支援しています
当社では、WordPressサイトにおける構造化データの設計・実装や、カスタム投稿・カスタムフィールドによる運用効率化をサポートしています。
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