こんにちは、ウラセツログ編集部です。
このブログでは、WordPressの“見えない構造”──
すなわち 設計・運用・SEOの「なぜ」 に静かに光を当て、
その裏側を、丁寧に、ひとつずつ紐解いています。
今回のテーマは、リッチリザルトの「表示」について。
構造化データをマークアップしたのに「検索結果に表示されない」という経験、ありませんか?
実は、リッチリザルトは“設計すれば出る”とは限りません。
そこには、検索エンジンが定める“表示の条件”という、見えないロジックが存在します。
この記事では、リッチリザルトが検索結果に反映されるために必要な条件を、
設計者の視点から、構造・品質・ガイドラインの3軸で丁寧に紐解いていきます。
1. リッチリザルトが“表示される”とはどういうことか
まず前提として、構造化データを設計したからといって、必ずリッチリザルトが表示されるわけではありません。
リッチリザルトとは、Googleが「この情報は意味がある」と判断したときに、検索結果に追加される視覚的な強調表示です。
たとえば:
- ⭐ 星付きのレビュー
- ❓ FAQブロック
- 🧭 パンくずリスト
- 🛍️ 商品スニペット
などが該当します。
ここで重要なのは、表示されるかどうかを決めるのは設計者ではなく、検索エンジン(Google)であるという点です。
つまり、どれだけ丁寧に構造化しても、Googleが「表示する価値がある」と判断しなければ、リッチリザルトにはなりません。点です。
2. 表示・非表示は誰が決める?
答えは明確です。
その判断を下すのは、設計者ではなくGoogleです。
つまり、どれだけ丁寧に schema.org
に基づいて構造化しても、
Googleが「表示する価値がある」と判断しなければ、検索結果には反映されません。
2-1. Googleが判断する主な評価軸
- ページの品質
- コンテンツの信頼性
- 構造化データの正確さ
- サイト全体の健全性
これらの要素を、Googleのアルゴリズムが総合的に評価し、
「このページはリッチリザルトとして表示するに値するか」を判断します。
このプロセスは人間の裁量ではコントロールできず、完全にアルゴリズムによって決定されます。
3. Googleが重視する「3つの表示条件」
Googleがリッチリザルトの表示を判断する際には、公式に3つの条件を示しています。
これらを満たしていない場合、構造化データを設計しても検索結果に反映されない可能性があります。
3-1. ✔ リッチリザルト表示の3つの条件
条件 | 内容 |
---|---|
技術的要件を満たしているか | JSON-LDやMicrodataなど、構文エラーのない正しい構造化データであること。 |
ガイドラインに準拠しているか | Google検索の構造化データポリシーに違反していないこと。 例:虚偽のレビュー、無関係なFAQ、誤分類など。 |
コンテンツ品質が十分であるか | ユーザーの役に立つオリジナルな情報であること。 ページ全体のE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)も評価対象。 |
これらの条件は、単なる技術的なチェックだけでなく、コンテンツの信頼性や品質まで含めた総合評価です。
設計者としては、構造だけでなく、コンテンツの中身と運用方針にも目を向ける必要があります。
参考記事:
【リッチリザルトテストの裏側を紐解く|設計精度を高める検証技術と運用ノウハウ】
4. よくある「表示されない理由」と設計対処法
ッチリザルトが表示されない原因は、設計・品質・信頼性のいずれかに課題があるケースがほとんどです。
以下に、よくある原因とその対処法を整理します。
🚫 設計ミス
問題 | 対処法 |
---|---|
FAQのHTMLはあるが構造化されていない | FAQPage のJSON-LDを追加する |
BlogPosting に必要なプロパティが抜けている | headline 、datePublished 、author を明示する |
🚫 品質不足
問題 | 対処法 |
---|---|
コンテンツの専門性が薄い | 実体験や専門知識を盛り込む |
機械翻訳のような文章 | 読者に伝わる自然な日本語にリライトする |
他サイトのコピーが多い | オリジナル性の高い内容に見直す |
🚫 サイト全体の信頼性に課題
問題 | 対処法 |
---|---|
スパム的なページが多い | 不要ページの削除・noindex対応を検討する |
誘導目的のリッチリザルト乱用 | ガイドラインに準拠した設計に見直す |
こうした“表示されない原因”は、Google Search Consoleの「リッチリザルトレポート」で確認できます。
設計者としては、構造だけでなく、コンテンツの質とサイト全体の信頼性にも目を向けることが重要です。
5. 表示される・されない事例を比較する
リッチリザルトの表示には、技術・内容・信頼性のすべてが関係しています。
ここでは、FAQの構造化を例に、表示されるケースとされないケースの違いを比較してみましょう。
FAQ構造化の表示事例比較
項目 | 表示されるケース | 表示されないケース |
---|---|---|
JSON-LD構文 | 正確に記述されている | 抜け・エラーがある |
Q&Aの質 | 実体験に基づく具体的な回答 | 汎用的なテンプレート回答 |
ガイドライン準拠 | 完全に準拠している | 広告誘導・誇大表現が含まれる |
このように、構文の正確さだけでなく、コンテンツの質やガイドラインへの準拠が表示の可否に大きく影響します。
6. テストでOKでも表示されないのはなぜ?
たとえば、以下のようなケースでは、テストでは問題がなくても表示が回避されることがあります:
状況 | 表示されない理由 |
---|---|
✔ マークアップにエラーなし | ✖ コンテンツが重複している |
✔ 構造化データは正確 | ✖ ガイドライン違反がある(誇大表現・誘導目的など) |
✔ 技術的には問題なし | ✖ ページ品質が低い(E-E-A-T不足) |
Googleは、構造化データの正確さだけでなく、コンテンツの質や信頼性、ガイドライン準拠まで総合的に評価しています。
そのため、テストで「OK」が出ても、検索結果に表示されるとは限らないのです。
7. 表示の最適化には何が必要か
リッチリザルトの表示率を高めるためには、設計の精度と運用の工夫が欠かせません。
以下のポイントを意識することで、検索結果に表示される可能性を高めることができます。
✔ 表示最適化のための設計ポイント
項目 | 内容 |
---|---|
正しい構文と語彙の選定 | schema.org に準拠した JSON-LD を使用し、構文エラーを防ぐ |
ガイドラインに準拠した運用 | Googleの構造化データポリシーを遵守し、誇大表現や誘導目的の記述を避ける |
質の高い一次情報の提供 | 実体験・専門性・信頼性のあるコンテンツでE-E-A-Tを強化 |
表示テストの定期運用とログ記録 | テスト結果を記録し、表示されたパターンを分析・蓄積する |
また、表示されたページの特徴やパターンを記録し、自社ナレッジとして蓄積していくことで、
「表示されやすい設計」の再現性を高めることができます。
8. まとめ|「検索結果に載る」ことを設計する
リッチリザルトは、ただ構造化データを記述すれば表示されるものではありません。
その裏には、品質・信頼・ガイドラインへの配慮があり、
最終的な表示は、検索エンジン側の判断によって決定されます。
だからこそ、私たち設計者は──
- 表示されるための“意味設計”
- 適切なマークアップの選定
- 継続的な品質チェックと改善
を意識して、検索結果という“接点”そのものを設計する必要があるのです。
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