〜WordPress企業サイトにおける「構造から伝える」裏側戦略〜
はじめに
「SEO」は聞いたことがあっても、「SEO設計」となると少し曖昧に感じるかもしれません。
とくにWordPressを用いた企業サイトでは、タイトルやキーワードなどの“表面的な対策”だけでなく、構造そのものを整える設計が、検索エンジンやユーザーの理解に直結します。
この記事では、「SEO設計とは何か?」を、実際のWordPressサイト構築における設計視点から、明快に解説します。
SEO設計とは?「SEO対策」との違い
まずは定義の違いを明確にします。
SEO対策とは?
- タイトルやmeta descriptionの最適化
- alt属性やキーワードの配置
- 外部リンク・被リンク施策
→ これは“既にあるページ”を調整する作業です。
SEO設計とは?
SEO設計とは、そもそもどんな構造・階層・分類・意味でページを構築するかという、
「情報の伝わり方」自体を計画する設計段階の思考です。
例えるなら、SEO対策が「見栄えの良いチラシを作ること」だとすれば、
SEO設計は「そのチラシが届くルート(配布構造)や読みやすい配置(情報構造)を設計すること」です。
WordPressのように構造化されたCMSでは、この「設計」が運用性・拡張性・SEOすべてを左右する基盤となります。
WordPressにおけるSEO設計の主要要素
設計項目 | 概要 | SEOへの効果 |
---|---|---|
URL構造 | /service/backend-design/ のような明示的なディレクトリ構造 | クローラビリティ向上、コンテンツの主従が明確に |
カテゴリ・タグ設計 | 意図をもった分類と階層設計 | 内部リンク強化・重複の防止 |
パンくず設計 | 「ホーム > カテゴリ > 記事」など、階層表示 | Googleが構造を理解しやすくなる(構造化データとの連携) |
固定ページに抜粋を追加 | add_post_type_support() でexcerpt を有効化し、meta descriptionやOGPに活用 | 検索結果での表示最適化 |
構造化データ(JSON-LD) | @type: Service , Article などで意味付け | リッチリザルト表示、Googleの認識精度向上 |
canonical設計 | 重複し得るURLの正規化 | ペナルティ回避、評価の一極集中 |
noindex制御 | 検索不要なページを除外 | インデックス汚染の防止、質の担保 |
見落としがちなSEO設計の観点
アーカイブ設計
- 投稿・カスタム投稿のアーカイブテンプレート分岐(例:
archive-service.php
) - 各アーカイブに適切なmeta情報とパンくず階層を実装
- タクソノミー(カテゴリ/タグ)の一覧ページも構造として設計する
HTMLセマンティクスの設計
要素 | 設計のポイント |
---|---|
main , article , section , aside , footer | 適切に意味づけてHTML構造を明瞭に |
h1〜h6 の階層 | ページに1つのh1 、以下論理的にh2 , h3 で整理 |
aria-label , role など | アクセシビリティ対応とSEOの補完的改善 |
ナビゲーションと内部リンク設計
- ヘッダーメニュー・サイドバー・フッター内リンクの戦略的配置
- 関連記事やパンくずで構造的内部リンクを強化
- 重要ページへのリンクが孤立しないように設計段階で接続構造を検討
情報アーキテクチャ(IA)としての設計
- サイトマップレベルでのページ構成設計
- 「どの情報がどのカテゴリに属するのか」を設計時に整理
- 運用後の更新・追加に耐える構造(静的ページ+カスタム投稿型)
表示速度と構造の関係
コアウェブバイタル(Core Web Vitals)はSEO評価に影響します。
表示速度やレイアウト安定性は設計段階で配慮できる要素です。
設計対応 | 内容 |
---|---|
画像の遅延読み込み | loading="lazy" を設計に取り入れる |
JavaScript/CSSの最適化 | 不要ファイルを条件付きで読み込む設計 |
テンプレートの軽量化 | ループやカスタムフィールド出力の最適化 |
SEO設計に必要な実装スキルとは?
WordPressにおいてSEO設計を形にするには、以下の実装スキルが求められます。
- カスタム投稿タイプとタクソノミー設計・登録(
register_post_type()
など) - JSON-LD構造化データのテンプレート出力
- パンくずのロジックカスタマイズ(例:メインカテゴリの出力制御)
- 抜粋・OGP・メタ出力のテンプレート対応
- XMLサイトマップの制御(プラグイン補助またはカスタム生成)
一針一歩が行っている実装例
株式会社 一針一歩では、「裏側の信頼性」をテーマに、
以下のようなSEO設計の実装を提供しています。
- 固定ページに抜粋を追加し、meta descriptionや構造化データに反映
- カスタム投稿タイプごとに異なるJSON-LDを出力
- パンくずにおけるカテゴリ選定ロジックの最適化
- 「見た目を崩さずに、裏側の構造を整える」WordPressテーマ設計
SEO設計は“裏側の信頼性設計”
SEO設計とは、「伝えるために構造を整えること」。
Googleにもユーザーにも、情報を正しく伝える“裏側の設計”が、表に出る検索評価を左右します。
私たちは、WordPressのバックエンドに特化し、
見えない価値(構造・整合性・再利用性)を設計することにこだわっています。
お悩みの方へ
- 構造化データをどう入れるか分からない
- カスタム投稿や分類設計がバラバラになっている
- デザインを壊さず、SEOにも強くしたい
そんな時は、ぜひ一度ご相談ください。
“裏側から伝わる設計”を、共に考えます。